正式名称が「ロードクロサイト」である宝石ですが、中南米(アルゼンチン)で産出し、美しい薔薇色を見せるため、「インカローズ」(インカの薔薇)とも呼ばれています。
また、ロードクロサイトという名前自体も、ギリシア語で薔薇という意味の"rhodon"、色を意味する"khroma"に由来することからわかるように、初夏に華やかな色彩を花開く薔薇を思わせる、美しい紅色を持っています。
産地によっても、宝石が持つ色合いが違い、アルゼンチンの宝石には赤ピンクの色調を特に評価して、「アンデスローズ」という神秘的な色彩表現が使われます。
アメリカ産は赤の色調で、鮮やかな赤ピンクの彩りです。
アフリカ産はオレンジの色調で、サンセットカラーに近くなります。
ロードクロサイトは、不透明な塊状で産出されることが多いため、透明なカット石となれる、宝石品質の原石は、めったに産出されません。
しかし、産出された宝石品質のロードクロサイトの透明石が、カッターの手によってカッティングされると、鮮やかな薔薇色の輝きを放ちます。