一般的な宝石はカボションカットの方が少なく、ファセットカットが多い傾向にあります。
それとは逆にムーンストーンという宝石は、大半がカボションカットが施され、99%と言っても過言ではない程の比率となります。
しかし、大変数少ない一部のルースはカットストーンとなり、ムーンストーン・ファセット石として、独特の表現力を見せつけます。
ムーンストーンがほとんどファセット加工されない理由はいくつかあります。
宝石をファセット加工すると、透明感の高い大粒結晶を、たくさん削り取ってしまうことでカボションカットとくらべて、サイズが小さくなってしまうことや原石や結晶そのものを傷つけ、失ってしまう可能性が高いことなどが、大きな理由となっています。
そのため、ファセットカットが施されたムーンの流通数は、総数から見ると大変に少ないものとなっています。
そんなファセット加工されたムーンストーンは、結晶の中を揺らめくアデュラレッセンスが、カットされたファセットの面を彩り、大変美しい宝石となります。
カボションカットのムーンストーンはどちらかと言うと優しい、お菓子のような彩りの物が多く、カットストーンのルースに関してはシャープでキリリとした印象です。
カットストーンのムーンストーンでお気に召した物があれば必ず手に入れて頂きたく思います。
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