「ベニトアイト」は、1906年に発見された、世界でもアメリカのサン・ベニトでしか産出されない稀少石です。
その名前は、発見地でもあり、唯一の山地である、「アメリカ合衆国 カリフォルニア州 サン・ベニト」からとられました。
カリフォルニア州が世界に誇る稀少石として、「州宝石(ステイツストーン)」に選ばれています。
ベニトアイトは強い二色性と複屈折率を持ち、ある角度ではブルーを、ある角度では無色を呈します。
さらに、ダイヤモンドよりも高い分散率を持っているため、強い輝きを放ちます。
色合いは、スリランカ産のサファイアに似た「ロイヤルブルー」から、ブルーダイヤモンドのような「フェイントブルー」まで、幅のあるブルーのカラーグラデーションが存在します。
青紫の色調が鮮やかに現れ、美しい二色性、華やかなファイアを見せる宝石ですから、大変人気は高いのですが、産出地が世界で一箇所しかない上、産出される量も大変少なく、市場でなかなか見つけにくい宝石です。
ベニトアイトは結晶が小さいため、高品質な大粒石が市場に出てくることは稀です。
一般的に見られるファセット加工された宝石は0.5ct以下で、1ctを超える宝石は稀少となります。
2ctを上回る宝石を得られる原石が産出されることは、年間を通じてもほとんどなく、世界中のコレクターを悩ませている稀少石です。